【2022年】法人向けレンタルサーバーの選び方・価格や安定性などスペック面から比較

目次

どうして法人向けレンタルサーバーが必要になるのか

昔に比べると、インターネットを介しての業務が増えてきた中、自社メールやデータの管理・やり取りなどの都合でサーバーが必要になるシチューエーションは多くなっていると言えるでしょう。
また、自社商品の通販サイトや、ホテルの予約サイトを運営するというように、インターネット上でサービスを提供する企業もあります。

このような場合、自社でサーバーを準備するということもありますが、サーバー設置に適したスペースや専門の管理担当者が必要となるなど、運営する規模に対してコストの面であまり効率的ではないこともあるでしょう。

そこで、サーバーをレンタルするという選択肢が生まれ、その中でも企業利用にマッチした「法人向けレンタルサーバー」があります。
法人向けレンタルサーバーを利用するメリットとしては、サービス事業者による徹底した管理やセキュリティ、そして、会社の事業規模に合わせられるほどの高いスペックを有していることが挙げられます。

このように、「法人向けレンタルサーバー」は、自社でサーバーを運用するのと同様・もしくはよりコストを抑えて、メールサーバーやホームページ用Webサーバーなどの用途で十分に利用できるために必要となっているのです。

法人向けレンタルサーバーの選び方

法人向けレンタルサーバーを選ぶ際には、次のような点に注目します。

・用途に合ったディスク容量か
・稼働は安定しているか
・セキュリティ性はどうか
・メールプランや機能もあるか

法人向けレンタルサーバーの価格帯は比較的高めとなっているため、「共用サーバー」なのか「専用サーバー」なのか、「VPS」なのかというように種類で値段が変わるくらいの違いしかありません。
そのため、同じ種類のサービスであれば、上記の4点から主に選ぶのが良いでしょう。

では、それぞれについて詳しく見ていきます。

用途に合ったディスク容量か

サイズや色の展開によって種類が多くなるファッション系や、PCパーツなどの通販サイト・ポイントサイトなどインターネット上でサービスを提供するサイトを運営する場合、ページ数や画像のデータも多くなります。

もしくはサイト運営用ではなく、メール用の「メールサーバー」として利用する場合でも、メール添付によるデータのやり取りが頻繁であれば、それらを保管できるだけの容量が必要です。

そのため、サーバーのスペックを調べる際には、ディスク容量は用途を満たせるかどうかに注目する必要があります。

人員数や業務内容によって必要なディスク容量のサイズは変わりますが、品数の多い通販サイトや数百人規模の企業用メールサーバーであれば、150~300GB程度は必要になるかと思われます。
もし商品数が少ない・メールの利用人数が少ない・データのやりとりがそこまでないというように、規模が小さくなるのであれば、50~100GBの容量でも問題はないでしょう。

安定した稼働

メールサーバーでは業務に、通販サイトやWebサービスの運営は売上など会社の業績に直結するものになります。
トラブルによってサーバーがダウン(停止)してしまうと、その間は業務が滞り、サービスを提供できなくなって損失が発生します。

そのため、サーバーを選ぶ際には、安定して稼働しているかどうかについても注意しておきましょう。

サーバーも精密機械であるので、予測できないトラブルが起こることもあります。
しかし、レンタルサーバーの中には、1つのサーバーマシンが停止したとしても、ユーザーの利用に支障が出ないように複数のマシンを並行して稼働させているなどのリスクヘッジを取っているところもあります。

他にも自社のデータセンターによって、トラブルが起こる可能性をより少なくできるように徹底した管理を行い、稼働率99.999%という、ほぼ停止させない体制を整えているレンタルサーバーも存在します。

法人向けレンタルサーバーでは、安定稼働が重要視されているため、サーバーが停止してしまった場合のリスクが大きい企業には特に合っていると思われます。

高いセキュリティ性がある

個人情報を取り扱うWebサービスを運営したり、企業ホームページでメールの窓口を開いたりしている場合にはセキュリティ性を高めておくことをおすすめします。

Webサービスであれば、個人情報やクレジットカードの情報が流出してしまうと、企業・利用ユーザーともに損害を被ることになってしまうでしょう。
企業ホームページの運営やメール窓口を開設している場合は、スパムメールによる迷惑行為やメールを介したハッキングなどの危険性があります。

企業を標的とした攻撃は後を絶たないため、セキュリティ対策は必須です。
レンタルサーバーには標準的なセキュリティはあるものの、Webサービスを守る「WAF(Web Application Firewall)やメールのスパムチェック機能、マルウェア検知機能のあるSSL証明書購入といった追加オプションが利用できるレンタルサーバーを利用するのが良いでしょう。

メール用のプラン・機能がある

業務上でメールが必要であれば、ディスク容量がメール専用で分かれていたり、設定が容易にできるレンタルサーバーである方が良いです。

また、わざわざメールサーバーとして構築しなくとも、法人向けのメールプランを提供しているレンタルサーバーもあります。
法人向けに高いセキュリティ性を有したうえでのメールプランであるため、個人向けのメールサービスなどと比較して、より安全に使用することができます。

なお、ホームページを運営しないのであれば、法人向けメールプランを使用した方がコストダウンにつながります。
自社を紹介するためのホームページは個人向けレンタルサーバーで運営し、業務情報をやりとりするためのメールは法人向けプランを活用するといった使い方もできるかもしれません。

法人向けにおすすめのレンタルサーバーの種類は?

レンタルサーバーのサービスにおける種類としては、主に「共用サーバー」「専用サーバー」「VPS」の3種類があります。

「共用サーバー」はコストを抑えることができ、操作も簡単ではあるものの、運営元がすべて管理する形となるため、サーバー設定の自由度は低くなっています。
また、他のユーザーとの共用になるため、どこかでトラブルが起きた際の影響を受けることもあります。

次に「専用サーバー」の場合は、サーバー本体の管理は運営元が行うものの、設定などは自由に行うことができます。
その分費用が高くなり、逆にサーバーの設定・操作を行うことができるエンジニアが自社に必要となるので、人的・労働的コストがかかってきます。

最後に「VPS」ですが、これは「仮想専用サーバー(Virtual Private Server)」と呼ばれるものであり、1台のサーバーマシン内に専用サーバーのような環境を仮想的に構築したものになります。
共用サーバーより多少高い程度の費用で、専用サーバーと同等の機能が使えるという、それぞれのメリットを組み合わせたものになっています。
ただ、デメリットも同様で、サーバー管理者が自社に必要となり、共用サーバーのように他ユーザーからの影響を受けてしまう場合があります。

それぞれにメリット・デメリットがあり、会社の状況によって合う・合わないはありますが、条件で考えると次のようになるでしょう。

  1. 管理者不在でも簡単に運用したい → 共用サーバー
  2. 大規模なサイト運営がしたい → 専用サーバー
  3. コストを抑えて、自由にサーバー運用したい → VPS

個人向けレンタルサーバーとの違いを比較

個人向けレンタルサーバーにも法人用プランはあり、スペックだけで見ると違いはありません。
また、有料オプションとなっていることもありますが、セキュリティを高めることも可能です。

法人向けレンタルサーバーと個人向けレンタルサーバーの違いとすると、「安定性」「サポートの質」の2点が大きなものになるでしょう。

個人向けレンタルサーバーではサーバーの安定性・稼働率を明記していないところも少なくはありません。
そして、個人利用も多いことから、サポート対応もメールやチャットのみとしていることも多いです。

対して、法人向けレンタルサーバーは先にも述べた通り、企業の事業につながるものであることが多いために安定した稼働を重視しています。
また、電話サポートがあるなど、トラブル時に素早い対応ができるような体制を整えているところもあります。

あくまでビジネスプランは「大規模運用も可能な個人向けレンタルサーバー」であり、サーバーの安定性やサポートの質を求めるのであれば、やはり法人向けレンタルサーバーの方が良いと考えられます。

個人向けレンタルサーバーについてはこちらの記事で詳しく解説していますので、参考にしてみてください。

法人向けレンタルサーバーの一覧と価格・スペック比較

下記一覧では、法人用途で利用されるレンタルサーバーを取り上げたものになります。
VPSや専用サーバーは自社管理者が必要になることから、まずは利用ハードルの低い共用サーバーのみをピックアップしました。

スクロールできます
サービス名 おすすめプラン 初期費用 月額費用 ディスク容量 初年度支払額
CPIレンタルサーバー SV-Basic 無料※1 ¥4,180 500GB ¥50,160
カゴヤ・ジャパン S12 無料 ¥1,100 100GB ¥13,200
スマイルサーバ ベーシック 無料 ¥3,410 400GB ¥40,920
エックスサーバービジネス スタンダード 無料※1 ¥3,762 300GB ¥45,144
WebARENA SuiteX スタンダード 無料※2 ¥3,200 400GB ¥38,400
ニフクラ レンタルサーバー ※プランなし ¥3,080 ¥5,500 300GB ¥69,080
さくらのレンタルサーバ ビジネス ¥5,238 ¥2,619 300GB ¥36,666
ロリポップ!レンタルサーバー エンタープライズ ¥3,300 ¥2,200 1TB(1,000GB) ¥29,700
※1:12か月契約の場合、初期費用無料
※2:クレジットカード支払いの場合、初期費用無料

法人利用が可能な中、価格のみで考えると、カゴヤ・ジャパンの共用サーバーが非常に安くなっています。
その分ディスク容量も最も少ないものとなっていますが、小規模サイトや自社ホームページ、メールサーバーなどの運用であれば十分でしょう。

ロリポップ!レンタルサーバーのエンタープライズプランは1TB(1,000GB)という桁違いのディスク容量があり、かつ初年度支払いも30,000円を切っています。
ただ、個人向けレンタルサーバーとしても人気のサーバーであり、安定性などは他社と比べて不安に思うところもあるかもしれません。

スペックと費用のバランスを考えるのであれば、KDDIウェブコミュニケーションズの運営するCPIレンタルサーバーが選択肢としておすすめです。
費用としては高めですが、ディスク容量もメール用と合わせて500GBと大容量となっており、高いセキュリティ性で法人からの人気も高いです。

用途に合わせたレンタルサーバー選びをしよう

法人向けレンタルサーバーの特徴や選び方について解説してきましたが、最終的にはどのような運用をするかによって、合うものは変わります。

大規模サイト運営なのか、自社ホームページ用なのか、メール用なのかというように用途をきちんと決めておくことが必要です。

もし小規模であれば、法人でも個人向けレンタルサーバーを使用するので十分なこともあります。
ただその場合、セキュリティなどの面では多少リスクがある可能性も理解しておきましょう。

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